昨年末に開いた転倒予防教室で、参加者から「氷の上や雪道でも絶対滑らない靴はないのかい」との質問がありました。
絶対に滑らない靴はありません。しかし、「滑りにくい靴はいろいろ出ています」と答えました。ピンや金具付き、靴底の溝が深いものや滑り止め材が入ったもの、柔らかいゴム底の靴など特徴をそれぞれ説明し「用途にあった靴底を選びましょう」とアドバイスしました。
今回紹介する「滑りにくい杖先ゴム」は、まさしく滑りにくい靴底の材料のひとつ、ガラス繊維が練りこまれた特殊耐滑性ゴムを採用したもの。
氷の上の滑りにくさは、金属製のアイスピックよりは劣りますが、通常の杖先ゴムの9割増しの性能とされています。
接地面にガラス繊維が突き出し、氷結路面やスリップしやすいぬれた路面をキャッチします。また、滑り止め効果は、摩耗しても変わりません。杖のアイスピックを折り畳んだり、スーパーの入り口のぬれた床が苦手な方に適しています。ただし、サイズは直径18ミリの杖先のみです。購入する前に、ご自分の杖先の直径を確認してください。
もちろん、転ばないための身体づくり、歩き方の修得や、たとえ転んでもけがをしないよう分厚い衣服や帽子、手袋を着用するなどの対策もお忘れなく。
(岡田しげひこ=理学療養士)
※2009(平成21年)1月12日北海道新聞において掲載された文章を掲載しております。 |